特製桐箱入りの樋屋奇応丸(ひや・きおーがん)は、
今から50年以上前の昭和30年代にも、実は発売されていました。
当時は高度経済成長の真っただ中で、「もはや戦後ではない」に象徴されるような国を挙げて「世界に追いつき追い越せ」を合言葉にしていたような時期であり、また団塊の世代後とはいえ、今とは比べものにならないくらい子供が多く、日本全体が未来に向けて邁進していた時代とも言えました。
ひやきおーがんのテレビCMシリーズもこの昭和30年代頃から本格的に始まり、急速な勢いで「赤ちゃん、夜なきで困ったな〜♪」というフレーズがブラウン管を通して全国に浸透していった時期でもあります。
その当時のトップグレード品として発売していたのが「小児良薬 樋屋竒應丸1300粒」で、特注で作った専用の桐箱に、香水をイメージしたカット入りガラス瓶を使用するなど、上質さにこだわり「プレミアムひや・きおーがん」として作られました。
それから半世紀以上が経過し、2022年に当社は創業400年を迎えることに加え、2回目の東京オリンピック、そして2025年には2回目の大阪万博の開催を控えた今、温故知新をテーマに、「樋屋奇応丸 特撰金粒1250粒」として特製桐箱・ガラス瓶入り仕様を復活させました。
江戸時代の元和年間から令和の時代に。
約400年にわたって積み重ねた、伝統の生薬製剤「樋屋奇応丸」をぜひお試しくださいませ。
750年頃
唐の鑑真和上によって「奇応丸」が伝わる
「ひや・きおーがん」のルーツは中国大陸から。
実は遣唐使が派遣されていた時代に、
あの鑑真和上が直接船に乗って伝えたとされています。
この航海も何度も嵐にあったり同行者の妨害工作などで命がけの旅となり、10年以上の歳月の末、なんと6度目のチャレンジでやっと日本に到着しました。
1510年頃
太鼓の中から「奇応丸」の製造方法が見つかる!
東大寺の破れ太鼓を修理した際、なんとその腔裏(こうり)に薬の製剤方法が書かれていました。お寺の僧がその方法通りに薬を作り色々な病に試してみると、数々の奇効が現れ、しばしば妙応を現わしたことから、この薬に「奇応丸」という名前をつけました。
「ひや・きおーがん」はセレブ専用薬!?
薬の原料は遠い海外から輸入しなければならない高価なものであり、庶民にはとても手が届かず、公家や僧侶の秘薬として用いられました。
1622年頃
坂上忠兵衛が一般に「樋屋奇応丸」を広める
「この優れた効き目の薬を一般の人にも」と考え、近隣の人々に施薬を始めたのが初代坂上忠兵衛で、これが樋屋製薬の始まりです。
1724年〜
1837年
享保の大火で、全てが消失…
四代目忠兵衛の時代、「享保の大火」でほとんどの財産を失ってしまいました。
さらに1837年の「大塩平八郎の乱」でも打ち壊しでの火災で大被害を受けてしまいます。
残ったのはいつも「ひや・きおーがん」だけ…。江戸中〜後期の忠兵衛は、常に復興に精力を注ぐ時代だったといえます。
1916年
「奇応丸」から「樋屋奇応丸(ひや・きおーがん)」に改名
時代は新しく大正となり、処方名が現在おなじみの「樋屋奇応丸(ひや・きおーがん)」となりました。この時から品質の劣化を防ぐ為、樋屋奇応丸(ひや・きおーがん)が金箔でコーティングされるようになり、この時から乳幼児から小児への適用となりました。
昭和初期
昭和初期の特売出荷風景
1941年
様々なものを失った戦争
順調に売り上げを伸ばしていった昭和初期でしたが、1941年に始まった太平洋戦争では戦火によって再び社屋を失い、金箔のコーティングも禁止されました。
あらゆるものが制限されていく中でもなんとか広告を打ち、家庭薬を販売していきました。
1960年
「ひや、ひや、ひやのひや・きおーがん♪」でおなじみのCMソング
戦後再びゼロから出発した樋屋製薬ですが、目覚ましい復興を遂げ1958年ごろからテレビ・ラジオコマーシャルが始まりました。おなじみのCMソングは1960年、CMソングABC賞を受賞いたしました!
成分表
成分 | 効能 |
---|---|
ジンコウ(沈香) | 18.3375mg |
ジャコウ(麝香) | 3.9375mg |
ゴオウ(牛黄) | 0.7875mg |
ニンジン(人参) | 52.425mg |
ユウタン(熊胆) | 1.350mg |
江戸時代から、弱った五臓の働きを高める
「五疳薬(ごかんやく)」として服用され続けた
ひや・きおーがん。
非常に多くの生薬成分の中から
5種類の原材料を使用しています
1.製粉粉砕機を使って、原料をきめ細かい均一な粉状にします。
2.秤量・調剤粉にした原料をはかりで正確に秤量して調剤していきます。
3.混合原料が均一に混ざり合うよう、機械を使ってしっかりと混ぜ合わせます。
薬にとって均一性はとても大切。V型の容器がグルグル回転して混ぜ合わせます。
4.練り合わせ均一に混ざった原料の精製水などを加えて、機械で練り合わせます。
ちょうどいい練り具合に仕上げないと、きれいな粒ができない大切な作業です。
5.製丸機械を使って、小さな丸い粒を成形します。日本最小とも言われる樋屋奇応丸の小さな粒はこの機械で作られているのです。
6.黒丸のできあがりコーティングをする前の丸剤を弊社では見た目そのままに「黒丸(こくがん)」と呼んでいます。
このままでは苦いので、ここから飲みやすくするための工夫が始まります。
7.金箔コーティング専用の機械に下地コーティングした丸剤と金箔を投入して、金箔コーティングを施します。
機械ですが、実はとっても難しい作業。下地コーティングも含めて、職人の腕の見せどころです。
8.樋屋奇応丸 特撰金粒のできあがり熟練の職人の手にかかると、こんなにきれいに均一にコーティングされます。
- ・夜なき、グズり気味の赤ちゃん
- ・子どもの学校生活や受験勉強の「イライラ」に
- ・食欲不振や胃腸虚弱に
1日3回、食前に水または白湯で服用。
赤ちゃん、子どもだけでなく大人も服用可。